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2010.09.19 学者たる者
中学1年のときの学校の担任の先生が理科の先生で、なんでも菌糸類の学会メンバーとかご本人はおっしゃっていた。
授業が大変面白く、また授業以外でも何かと楽しませていただいた先生で、僕は大ファンであったし、今でも尊敬している方だ。

先生のお話で、「学会に出席したら、こんな人がいました。」みたいな内容で、毒キノコを実際に食べてみて、本当はどんな症状が出るのかレポートします、と発表した人の話があった。
「え!毒やんか。大丈夫なんか、その人?」
というどよめきの中、
「ワライ茸というのがありますよね。これを食べてみたところ、苦しいのなんのって。何が笑いか?と思って、自分の顔を鏡で見たら、顔がひきつってて笑ったように見える。って言ってました。」
ほんまかいな、とそのときは思ったのであるが、自分が論文を書くような歳になったとき、「ああ、そうやったんやろなあ。」と思えるようになった。何か賭けてないとできるもんじゃないよな、と。

さて、なぜ急にこんな話をするのか、というと、ネットでこんな記事を見たからである。(魚の寄生虫に関してのレポート)
http://mainichi.jp/seibu/photo/news/20100918ddg041040010000c.html?inb=yt

実際、海の魚には寄生虫が多い。しかし、食通な人が、酒を飲んでる席で言うのを何回か聴いたのであるが
「あ~。あいつら醤油かけたら死滅するから。大丈夫、大丈夫。」
さらに
「わさびでも死ぬ。大丈夫、大丈夫。」
あげくに、
「日本の食文化は、寄生虫まで視野にいれておる。誇らしい。」
みたいなことをのたまうのだった。
内心、「ほんまかいな。大丈夫なやつだけあらかじめ知ってて、ええかっこゆうてるんちゃうん?」と思ったものである。

が、しかし、このリポートは、これは頭がさがる、というか、たいしたもんだと思う。
学者たるもの、かく有りなんかな。体張ってるよね。自説を明らかにするために。

大学生の頃、自分は哲学系であったが、仲のいい同年生が化学系に多く、よく研究室に遊びにいったものだった。
うちの学部の化学第一研究室の先生は、かなり著名な化学のエキスパートであったが、あるとき、こんな事があった。
実験の都合上、どうしてもめちゃくちゃ汚い油がでてしまうものがあった。それを吸い上げて排除するシステムが装備されているのであったが、あるときそのポンプが故障した。そこへ僕がやってきて研究生である友人を飲みに誘ったところ、
「ああ。実験も装置の修理待ちになってもうたから、ぼちぼちいこか。」
という返事。ところが、そこへ件の教授が外出から帰ってきて、
「なんで実験止めてんだ?!・・・・・なに排水?そんなもん、なんとかできんのか!! ホース持ってこい!」
の一喝で持ってこられたゴム管を実験装置に突っ込むや否や、教授はゴム管を口で吸い始めた!
口にすった真っ黒なヘドロのような汚い油を洗面器に、ペ~ッと吐きながら何回もそれを繰り返し、洗面器いっぱいになったところで
「おし、実験再開!」
の指示。  エ~、そんなの口に入れて大丈夫なの??と思ったが、当の教授は、台所洗剤で
「カラカラカラカラ~~。」
と、うがいして終了。

恐れ入った。  これがプロかというものか。
自分たちの甘さ、というかそれより、教授の異常さに畏敬を感じた出来事であった。

そんなことを思い出してしまった。




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