雨の合間をぬって走り出したのだが、雨雲の流れていく北北東の方角と僕の進路がほぼ重なっていて、走っていると雨に追いついてしまう。結局、ず〜っと濡れながらの走行となってしまった。まあ、これもバイク旅の醍醐味のひとつとして受け入れよう。メンテに出したお店の人から、
「タイヤの減り具合が微妙なんで、大丈夫でしょうけど、一応、雨のときは頭に置いといてください」
といわれていた。もとより大人しくゆっくり走るのが好きなので、無理はしないつもりであるが、それでも情況によって危ないシーンもあるのがバイク。心していこう。

 世田谷の自宅を出て、首都高を北上し、川口から東北道へ。いつもながら東北道にのると気合いが入る。ここで今日の1曲目「イージューライダー(奥田民生)」をヘルメットの中で熱唱。続いて天候からの選曲か「雨に歌えば(バート・バカラック)」を歌詞のわからんところはいいかげんにハミングして熱唱。ようやく気分がノッてきた。山下達郎やアニメソングなど好き放題に何曲か歌ったところで、気が付けば走行時間が2時間に迫ろうとしていた。本日一回目の休憩は、恒例の佐野SAとした。時間的にここらで、休憩を取った方がいいし、ここにはSA内ながらなかなかイケる佐野らーめんがあって、これを楽しみにしているのだ。小雨の佐野SAで雨具を脱いで、レストランへ向かった。ランチタイムながら客席には余裕があったが、ここは勝手に座ってはいけないシステムで係員の誘導を並んで待つことになる。二組待って、いよいよ僕の順がきたとき、男性の係員が
「佐野らーめんの手打ち麺はただいま売り切れ終了となりました」
といいながら、ショーウィンドウに張り紙を出した。
「あーーー!ショック。2年も待ったのに・・・・・雨のせいで・・・」
と独り言をこぼしたが、それもしょうがないこと。雨の野郎!こん畜生! 食いもんの恨みは・・・いや、忘れよう。旅のハナっから憤ってもゲンが悪い。大人しく普通麺を楽しもう。そのかわり、いつもは頼まないチャーシュー盛りをオーダーした。IMG_0187.jpg
普通麺だって美味しいのだ。スープはかなり好み。ただチャーシューはこんなにいらなかった。勢いで行動してはいかん。反省。

 佐野を過ぎてからは、こまめに休憩を取りながら走った。雨は相変わらず降っているが、気分は上々。走りたかったんだ僕は。ようやくこの旅にたどりつけた。フェリーの出航時間という制限はあるが、それも余裕をみてある。誰にも束縛されない自分の時間、自分の旅だ。すべて自己責任で自分のために走る。自分のために休む。ああ、これが待ち望んでいた旅だ。大げさだが、そんなことを感じながら、北へ北へと進んだ。

途中、休憩に立ち寄ったSAでこんなのがあった。
IMGP0157.jpg
日付は、中古で買ったデジカメの設定をミスってこうなってしまった。これはウルトラマン何なんだろう?白組(初代、エースなど)か赤組(セブン、タロウなど)か青組(コスモなど)かも分からない。そもそも歴代の途中からウルトラマンに何があるのかも分からない。なんでもいいが、ウルトラマン某かに会えたことは単純にうれしい。テンションもあがるというものだ。自販機で飲み物を買うことなど滅多にない僕だが、ここは一応買っておいた。

 栃木県を過ぎ、福島県の北の端、国見の手前でガソリンの警告灯がついた。疲労もたまってきており、国見SAへ。休憩中にいつも思うのだが、休憩と言ってもバイクの場合、車中でシートを倒して仮眠、なんてできない。いちいちレストランに入って休むお金ももったいないし、コーヒー1杯で席をとって仮眠というのも僕はやりずらい。となるとベンチで座って休むことになるのだが、どこのSAでもただで座れるベンチは屋根がない。夏の晴天下だと暑くてかなわない。今回のように雨だと濡れ放題。本当に疲れているときはお金を払わないと休めもしないようになっている。これ、どうなんだろうね。事故を防ぐために休憩を奨励しているものの、バイクライダーの休憩には金をとる仕組みなのか。というより、バイクのことは考えていないんだろう。それだけ少数派なのだ。まだ深刻なほどは疲れていないので余裕はあるが、いざとなったらレストランだな。売店でカフェインドリンクを買って、飲み干してからガソリンスタンドにいった。満タンにしてもらったところ、伝票を見たら10.5L。オド・メーターは306kmを指していた。燃費はリッターあたり30kmを少し割ったところ。なかなかの好燃費である。えらいぞ Moderato! 不思議なものでガソリンを満タンにしたら自分もエネルギーをもらった気分になる。さあ、もうひと踏ん張り。仙台港までなにもトラブルがなければノンストップでいこう。

 今は仙台南ICから仙台港まで高速道路が通っていて仙台市内を通過せずに目的地までいける。便利になった恩恵をうけることにして東北道を降りた。ここで、予想もしなかったことが起きた。本線から仙台南部道路へ抜けるランプで右折しきれないでコーナーで停止。幸い後続車が離れていたのでトラブルはなかったが、信じられないことになった。下りの右急カーブで、本線からのスピード感覚を引きずっていたのか気が付いたら曲がれない恐怖心が襲ってきて、目線をコーナーの出口から離してしまった。バイクというのはライダーが見た方向に進むのでコーナーの途中を見てしまったら曲がりきらない。こんな基本中の基本をミスってしまった。積載荷物の多さもミスってから思い出し、余計に怖く感じたように思う。これは重大なミスだった。幸い、事故にはならなかったが、油断があった。そして、しばらくぶりでバイクに乗るため腕も落ちていることを自覚する必要があった。十分に反省すべきだ。「僕は下手になっている」と。右カーブは鬼門だと肝に銘じた。
鳥肌が立つのを感じながら、仙台港までの道を慎重に走った。途中で広瀬川を超え、ここから「青葉城恋唄」を歌いながらついに今日の目的地フェリーターミナルに着いた。ライダーたちの列にバイクをつけてサイドスタンドを立てて降りたら安堵感で尻餅をつきそうになった。オド・メーターはちょうど400kmを指していた。IMG_0191.jpg
今夜はこの船に泊まることに。何気に新型だそうでいつものより大きくてきれいだ。大船に乗った気でゆっくり休もう。
手続きにいくと台風の影響で19:40の出航が21:00に延期されるそうだ。早く乗って風呂に入りたいが仕方ない。明日の走り出しも遅れるわけで、夕方、宿の近所で釣りをする(前回はそのときシロザケを釣った)予定も流動的に考えた方がよさそうだ。80分遅れで乗り込んで、風呂にゆっくりつかって、ビールを飲んだ。誰か話し相手がいるでもなく、ただただのんびりするだけだが、退屈ならそれもまたグーなのだ。深夜に船内のミニシアターで「ルパン三世」の実写版を観た。劇場までいって観るほどの興味はなかったが、こういう機会なら観てもいいなと思ったのだ。まあまあの出来。昔の実写版に比べたらえらい進歩である。大部屋の隅で床に着いたら、今日の反省が頭をよぎった。絶対無事に帰る。そのために何を考えるべきか。ビールで少しふらつき気味の頭でぐるぐると思いを巡らし、知らぬ間に眠りの世界に落ちたようだった。

つづく
 
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